先日の旅行会話のレッスンで、「台湾語というのは、実際どのくらい使われているのですか」という質問がありました。
台湾では、およそ17世紀ごろから中国大陸の福建省南部などから漢人が移入し、彼らがもたらしたビン南語という言語があります。 ビン南語は台湾語、ホーロー語とも呼ばれます。また彼らより遅れて移民した客家人の話す客家語があります。これらの言語はMRT(地下鉄)の車内アナウンスなどでも聞くことができます。戦後になって国民党が台湾を接収した後、中国語が広く普及しました。これがいわゆる台湾華語です。また中国からの移民以前からこの島に住んでいる原住民のさまざまな言語があります。
家の中では台湾の人たちはどんな言葉を用いているのでしょうか。
面白い地図があります。
概ね、中南部は家庭内の言語としてビン南語(台湾語)が優勢のようですね。桃園新竹から苗栗にかけて、また高雄の美濃あたりでしょうか、客家語の地域が見えます。原住民の多い山間部から東海岸にかけては家のなかでも華語(台湾華語、中国語)が広がっていることから原住民諸語の衰退が見てとれます。
この地図は『臺灣語言地圖集』という本に載っています。このような言語地図がたくさん載っていて、ぱらぱらめくっているだけで面白い本です。