インスタントラーメンの作り方で書き言葉を学ぶ
台湾のお土産にインスタントラーメンを頂きました。
中国語で書かれたものを見つけたらなんでも読んでみましょう。例えばインスタントラーメンの作り方もいい教材です。読解練習の手始めにはまったく未知の文章から始めるより、大体内容を知っているものから始めた方が取り組みやすく、知識も定着しやすいのではないかと思います。では、作り方をよんでみましょう。
使用方法:
1. 將麵、調味料置於600毫升之中型碗內。
將~は「~を」。結構見落としがちなんですが、中国語では、「、」と「,」を区別します。「、」は「バナナ、マンゴー、パイナップル…」のようにものを列挙するときに使います。「,」は句点で、文の意味の切れ目を示す目安です。
「將麵、調味料」は「、」で列挙していますので、「麺と調味料を」となります。
「毫升」はミリリットル、ccですね。
したがって、「600毫升之中型碗」は「(容量が)600ccの中型のお椀」ということになります。ここで「~の」の役割をしている「之」は話し言葉の「的」にあたります。
中国語は話し言葉と書き言葉の違いが結構あります。書き言葉の文体は役所の公文書のような改まったものでなくても、例えばこのインスタントラーメンの作り方などにも見られます。
先に見た「將~」も話し言葉ならば「把~」となります。
一通り意思疎通できるくらいの中国語が身についた人の学習の指針として、次は話し言葉と書き言葉の違いを意識するようにするといいかと思います。
2. 沖入沸騰開水到八分滿(約450毫升)為止,蓋上後放置3分鐘。
「沖」は勢いよくジャーッと注ぐ感じです。
お湯は開水、中国語で「湯」はスープですのでお間違いなく。
「到~為止」は「~まで」」。
「到八分滿(約450毫升)為止」なので、「八分目まで入れる」ということですね。
3. 將麵湯拌勻後即可食用。
「拌勻」は「拌 まぜる」と「勻 ならす」で合わせて「むらなく混ぜ合わせる」。
全訳するとこんな感じです。
使用方法:
1. 將麵、調味料置於600毫升之中型碗內。
麺と調味料を600ccの中型のお椀に入れる。
2. 沖入沸騰開水到八分滿(約450毫升)為止,蓋上後放置3分鐘。
沸騰したお湯を八分目(約450cc)まで入れ、蓋をして3分置く。
3. 將麵湯拌勻後即可食用。
麺とスープを混ぜて出来上がり。
まとめ
インスタントラーメンを作る時にわざわざ説明書を読む人はいないでしょう。ここであえて読んでみたのは、外国語の読解練習は、全く知らない内容に挑戦するよりも、大体内容を知っているものを利用した方が取り組みやすく、知識も定着しやすいと考えるからです。中国語で本を読んてみたいと思ったら、まずは日本語で読んだことがある本を読んでみてください。その方が挫折しにくいうえに、中国語で読み返すと新たな発見があるかと思います。 日本語に翻訳された中国語の小説などもいずれご紹介します。