6月になりました。今月末は中国語検定ですね。そろそろ準備をという方のご参考になれば幸いです。

第102回筆記問題の解説

先にまとめ

この回では何が問われたのか。

次の4つが設問の大きな割合を占めています

1 基本語彙のピンイン

大問1はすべてこれです。単にその単語を知っているかどうか、それだけを問うもんだいです。

2 主な介詞

介詞というのは日本語の助詞のようなものです。

3 把,让,被の使い方

4 語順

「時、場所、介詞、副詞、動詞、時間の長さ」などの順番が問われました。

何を準備すればいいのか。

単語を増強すること。

キクタンのような、ながら聞きできる教材を繰り返すのがおすすめです。

短文作文を繰り返すこと。

新たに教材を買わなくてもいいと思います。これまで使っている初級レベルのテキストの本文がすべて日本語から中国語に作文できるか、確認してみましょう。

ある程度分量のある文章を読む、聞く。

大問4の長文のボリュームに慣れるという意味で、まとまった文章を毎日少しずつ読むようにするといいと思います。多読は文法事項の定着にもつながります。

教材としては『中国語解体新書』丸尾誠・李轶伦 著 駿河台出版社

がおすすめです。

毎回100文字弱の文章を読み、文章に慣れると同時に、文法と語彙が同時に強化されます。全文ピンイン付きというのもありがたいです。CD-ROMを使うと、リスニング対策にもなります。よくできた、お得なテキストだと思います。

以下、第102回中国語検定3級の各問の詳細です。著作権等に配慮し、問題文は掲載しません。したがって、考え方のメモのようなものとしてご活用いただければと思います。

大問1 

基本的な単語の発音の問題です。

キクタンを流し聞きして、語彙を増やしましょう。

大問2 

(1)介詞の問題です。

介詞とは日本語の助詞(~が~を~に~で…など)みたいなものです。

母に電話する。「母に」は「给妈妈」というように给で表します。

主な介詞

从     ~から(起点)

到     ~まで(到達点)

在     ~で(場所)

给     ~に(対象)

向     ~に向かって(方向)

跟     ~(だれだれ)と、~(だれだれ)に向かって

(2) 強調を表す「是~的」の構文を覚えましょう。

我是坐火车来的といえば、私はバスでもタクシーでもなく、列車に乗ってきたんですよ、というような意味になります。

(3) 受け身の文(~に…された)は被~…の形で表します。

我的帽子被小狗拿走了   私の帽子はワンちゃんに持ってかれちゃった。

(4)  いつでも大丈夫だよ、という時には

什么时候(いつ) 都(すべて、みな) 可以(大丈夫)

となります。

都の意味はまず2つ覚えておきましょう。

1 みんな、すべて

我们都是学生。私たちはみな学生です

2 もう、すでに

都八点了,我们走吧。

もう8時だ、出発しよう。

(5)  「~に…させる」は「让~…」で表します

爸爸让孩子去上课

父は子どもを学校に行かせた

これもついでに覚えましょう。

否定の場合、不は让の前です。

妈妈不让我去玩儿。

ママが遊びに行かせてくれないんだ

(6)  動詞の前に副詞を置くときは地を置きましょう。

她高兴的走出去了  彼女は嬉しそうに出ていった。

(7) 椅子を「置く」に当たる動詞は放ですね。

挂「掛ける」坐「座る」站「立つ」もついでに覚えましょう。

語順がポイント!

ちなみにこの文のように、

「部屋に椅子が置いてある」「二階に赤ちゃんが寝ている」「庭にチューリップが咲いている」のような

『「場所」に 「もの」が~~ ている』

を表す場合、「場所 + 動詞 + もの」の語順になります。

(8)  携帯を忘れた!

と言いたい時、どういう順番でパーツを並べていけば良いでしょうか?

中国語の最も基本的な語順(SVO)にそって表現すると、

我忘了手机了

となります。

我(S) 忘(V) 手机(O) の順に並んでいますね。

もし、Oの場所が他の名詞で埋まっていたらどうしましょう。

例えば、「忘在家里」のように、忘の後ろに「在家里」がすでにデンと構えていたら、「手机」は一体どこに行けばよいのでしょう…

そんな時は、動詞より前に持って来ましょう。その時には把を置かなければなりません。

我把手机忘了。

(9)  「続けて話してください」と言いたい時、

「続けていく」というニュアンスを表すのは~下去です。

方向補語のすこし抽象的な意味をまとめましょう。

(10)  二つの節をつなぐ接続詞、

「~だけれども、でも…。」は「虽然~但是…」です

大問3 

語順の問題です。

日本語の大枠から文の構造を作っていきましょう。

(1) 

まだ ありますか?

还有吗?

~がある 有~

言いたいこと 要说的

还有什么要说的吗

(2) 

私はまだ

我还没有

やり終える

做完

宿題

作业

我还没做完作业

(3)

よく間違えるところですが、

「~に会う」

跟~见面

です。

彼女に会うは

跟她见面

です

✖ 见面她

とは言わないので注意しましょう。

「会ったことがある」

は过「~したことがある」を動詞の後ろにつけて

我见过面

ここが重要です。

回数は動詞と目的語の間に置きます。

我跟她见过一次面

(4)  彼女はマスターしました

她学会了

「1か月で」は、つまり「一か月を用いて」と考えて、用一个月

只「~だけ」は動詞の前に置きましょう。

(5) 

中国語の語順はいつも出来事が起こる順番だと思っておいてくださいね。

「中国語に訳す」という出来事は

1翻訳をする。2その結果中国語になる、という順に起こりますね。

そのままの語順で

翻译成中文

とすれば正解です

(6) 

比較の語順はいつもこの順番です

主語  比+比べる相手 形容詞  差のおおきさ

今回のテスト 比+前回  易しい  ずっと

の順で並べます。

(7)  

「(場所)に (もの)が ~ている」のパターンは

場所 ~~ もの

の順番です

壁 掛けてある 一幅の 水墨画

の順番になります

(8)  

「もの」 が有る/ 無い

有/没有 + 「もの」

は、後ろから修飾することができます

~~~なもの がある/無い

有/没有  +  もの + ~~な

私 ある/ 無い + 時間 + 映画を見る

(9)  あなたは遅く来る

你   晚  来

こんなに遅く

这么晚

やっと来る

才来

これらを組み合わせて

这么晚才来

どうして、という気持ちを伝える怎么を前において出来上がりです

(10)  これも語順の問題です

いつ どこ 何する どれくらい

この順番です。

いつ どこ 何する どれくらい

去年  在中国   工作    两个月 

了をどこに置けばいいでしょうか?

の場所は2つあります。

動詞の直後

文の最後

動詞の直後の了は「もう終わっている」ことを表します

文末の了は「今そうなった」ことを表します。

したがって、今とかかわりがある場合「もうかれこれ二か月になる」のような場合は文末に、ただ去年の2か月だけでとっくに終わっているよ、というのなら動詞の直後に了を置きます。

大問4 長文読解

(1) 仕事の関係で帰国できない、という帰国できない「理由」を示す表現は由于ですね。

(2)  「見ることができる」という可能表現は可能補語で表せます。

「可能補語」を初めて聞いたという人は、ひとまず「ああ、なんか間に得が入ってるやつね」とイメージしてください。

もう少ししっかり押さえたい人は動詞と結果補語の間に得が入る形式だと理解してください。

看得到

のような形です

同じように動詞の直後に「得」が来るものでも

跑得快

のようなものは様態補語といって様子を説明するものなので、お間違えないように

(3)「中国(  )もってきたお土産」の(  )に入るものを聞いています。「~から」を表す从を入れましょう。

(4) 难得 得難い  一见 一度見る

なので、なかなか見られない。ということになりますね、

ここでの可は強調です  接続詞の可是「でも、しかし」ではないので注意しましょう。

(5)  これを見るためにみんなやってきた。「~のために」は为了ですね。

为の声調にも注意しましょう。

为了「ために」の時は4声です

认为「思う、みなす」の時は2声です

(6)  1 爱人は「妻」、一直は「ずっと」过春節は「春節を過ごす」「娘は昨年妻と春節に帰国し…」とありますね

2 私がではなく、来日した親戚友人たちがお土産を持ってきたんですね。

3 娘は「日本も春節することになったの?」なんて言っていますね。

4 東京ではからずも春節の賑わいに浸ることができた、という話でした。

5 中国語作文

1 私 つもり 彼らと 一緒に 行く 食事

の順番で並べます

ポイント1 話し手の気持ちを表すパーツ(つもりだ、はずだ、したい、ほしい、など)は日本語では文の最後ですが、中国語では(打算,应该,想,要など)反対に前の方に持ってきます。

ポイント2

日本語で「名詞+助詞」で表すもの(~で、~に、~から、~と、など)は中国語ではだいたい動詞の前に置くと思っておいてください

ポイント3

どのように~するか、を表す部分を副詞といいます。これは普通動詞の前に置きます。一緒に行くの「一緒に」の部分です

(2)  コーヒーを2杯買う

買う 2杯 コーヒー の語順です

(3) 「もし」は如果または要是をつかいましょう。「私は行きます」の部分は、単に我去とするよりも前の条件を受けていることを示す就を動詞の前に置くと良いです。

(4)  「読んで分かる」という、むしろ中国語から日本語に訳したような問題文ですが、ここで求められているのは看得懂ですね。

(5)  「~から…まで」は从~到…

時間の長さを訪ねる表現は

多长时间または多久です

まとめ

何が問われたのか?

1 基本語彙のピンイン

2 主な介詞

3 把,让,被の使い方

4 時 場所 介詞 副詞 動詞 時間の長さなどの語順