中国語検定3級 第101回(筆記)解説
中国語検定3級、第101回の問題を見ていきましょう。
中国語検定の過去の問題は中国語検定協会のウェブサイトから11回分もみることができます。
出題される内容はある程度限られているので、これを一通りやってみるだけで、結構準備が出来るのではないかと思います。
以下、
まず、試験準備として、なにを準備するの?というピンポイントの結論を述べます。
次に、なにが問われたか、という出題項目の一覧を示します。
最後に、各問題の解説です。
何をおさらいすればいいか
介詞、量詞、使役、把構文、語順をおさらいしておきましょう。
語順は時と期間の置き場所、離合詞に注意です。
3級で問われるのはどの初級教科書にも載っているものばかりです。わざわざ問題集を買わなくても、手元にあるテキストをきっちり復習すれば3級の筆記問題は合格できます。リスニングの対策としては、ある程度まとまりのある文章を読ませる音声付き読解教材を一冊しっかりやりこむのが良いでしょう。『中国語解体新書』丸尾誠・李轶伦 著 駿河台出版社がおすすめです。
何が問われたのか。
介詞
从
把
往里走
量詞
片
使役
让
叫
語順
「時間の長さ」は動詞と目的語の間。
打工は離合詞
場所名詞は方向補語「来・去」の前
場所が文頭にくる文(「ものこと」が 「場所」で ~ている)
セットになる表現
一~, 就..
快要~了
~の後で…する 等~后再…
虽然~, 但是…
为什么? 因为…
「是~的」
その他
以下のものは文法項目ではなくて、頻出表現として覚えておくのが良いでしょう。
受欢迎 人気がある
唱歌唱得很好听 歌うのが上手だ
有/没有の後ろから修飾するかたち 没有机会去玩儿
不用 しなくてよい
可能性を表す「会」
「見つかる」找到
会说一点
「自転車で」骑自行车
問題の解説
大問1
基本単語の声調・ピンインの問題です
大問2
(1)
一~, 就…「~するとすぐに…」のセットです。
(2)
介詞 「~から」にあたるのは从。
(3)
「~している」状態を表すのは~着
(4)
介詞 「~を」にあたるのは把。
(5)
「遠慮しないで」「~しなくてよい」にあたるのは不用。
(6)
バスなんかが混んでいるときに「奥につめてください」という表現です。「中に向かって」なので往里走
(7)
量詞 食パンのように薄い一切れを指すのは片。
(8)
3級頻出の「~させる」は让で表します。
(9)
「~だけれども、しかし…だ」は虽然~, 但是…で表します
(10)
快要~了で「もうすぐ~だ」
大問2の対策としては、
介詞
量詞
~させる、される
呼応する表現
接続詞
この辺りをおさらいしておくと良いでしょう。
大問3
(1)
「いつ」は主語の次、「時間の長さ」は主語と目的語の間です。
これもよく問われる重要事項です。
私 一週間 する 3日 仕事 の順になります。
打工は離合詞なのをお忘れなく。
3日働くのなら打工の間にはさんで打三天工
(2)
学ばない 車の運転 ~になったの「了」
の順番で並べます。
ここでの「了」は文末です。
「そういうことになった」という事態の変化を表します
(3)
「彼女が描く漫画」は日本語と語順が似ているので迷わないと思います。
「人気がある」が日本語の直訳にならないところが重要です。受欢迎という表現を覚えましょう。
(4)
「歌うのが上手だ」
唱歌唱得很好听。
先に歌を歌う「唱歌」と言っておいてから、おもむろに、「その歌いっぷりときたら…」 唱得… とあとから様態を描写します。
(5)
右/左に曲がる、まっすぐ行くという表現を覚えておきましょう。
往 右/左 拐 「まっすぐ行く」は直走です
(5)ではこれに「一~就…」が加わっています
(6)
場所名詞は方向補語「回・去」の間に挟みます。
(7)
現存文なんて言いますが、
「もの・こと」が 「場所」に ~ている
という状態を述べるときには、
ものではなく、場所が主語になります。
庭 植えてある 桜の木
という語順が正解です
(8)
「学校に行かなかった」は没去学校。
このことに対して、「どうして、どうしたの??」という気持ちを表しているので、
その前に怎么を置きます。
「えーなんでー」の気持ちは「你怎么…」から始めると思っておくと良いでしょう。
(9)
有/没有は他の動詞と違う特徴があります。
それは、後ろから修飾出来るという点です。
「遊びに行くチャンス」は去玩儿的机会
ですが、
「遊びに行くチャンスがない」
だったら、
「チャンスがない」と先に言っておいて
没有机会
それから、どんなチャンスか?⇒遊びに行くチャンス
を後から加えます。
没有机会去玩儿
(10)
日本語の訳は「先生は~とおっしゃいます」ですが、
語群には叫があるので、「先生が学生に覚えさせる」という文を作れということですね。
使役は3級では本当によく問われます。
機械的に型を覚えればいいだけなので、取りこぼさないようにしましょう。
A 叫/让/令/使B ~ で「AがBに~させる」ですね。
3級レベルで聞かれるのは、主に話し言葉で用いられる叫と让です
大問4 長文読解です
(1) 前の文が为什么と言っていますから、それに対応する因为が答えです。
(2) 1時間でやっと、ようやく帰ってくる 才が正解です
(3) ~の後で…する 等~后再…
類似表現として先~再… 「まず~してそれから…する」も覚えておきましょう。
(4) 母は分かる「はずがない」と言いたいので、可能性を表す、会を使います
(5) 「どうして分かったんだろう」の「どうして」は怎么ですね
(6) 总は「いつも」あるいは「結局」、ここでは「いつも見つかってしまう」と考えるのがよいでしょう。
大問5 中国語作文です
(1)まだ 还没有 ですね。
見つかるは找到です
「見つかる」は日本語では1語の動詞で表せますが、
中国語は「探す + その結果(見つかる)」のように分けて表現します。いわゆる結果補語を使って表すので、注意が必要です。
私 まだ 探して 見つかる 仕事
の順番で並べます。
(2)
「もう2年になります」というのをどう表現しますか?
この日本語だと今も学んでいるように解釈できますね。
今もその状態が続いているのであれば、文末に了が必要です。
中国語を2年学ぶはどうでしょうか?
これも語順が問われています。つまり、期間(两年)は動詞(学)と目的語(汉语/中文)の間に置くという語順の問題です。
(3)
「少し話せる」は会说一点です。
有一点と混同しないように。
有一点は後ろに形容詞が来て、「すこし~だ」
(4)
「是~的」を使うとすっきり表現できますね。
この本 是 どこで買う 的?
(5)
日本語では「自転車で」となるところが、中国語では「自転車に乗って骑自行车」のようになるという点だけきをつけましょう。
語順は
主語 時 どうやって ~する
なので、
私 毎日 自転車に乗って 学校に行く
というようにそのまま当てはめていくと良いです。