TOCFL: 新たに加わったTBCLとは
台湾華語の検定試験TOCFL(華語文能力測驗)のオフィシャルサイトが新しくなりました。
https://tocfl.edu.tw/index.php/home/index
同ウェブサイトより転載
デザイン一新、ずいぶん洗練されましたね、それはさておき。
TOCFLがなんか変わるみたいですよ。
TOCFLが変わる?TBCLによる新評価基準とは
これまでTOCFLの判定といえば、A1 A2 B1 B2 C1 C2の6段階評価がなされてきました。
これに加えて、TBCLという新たな評価基準が加わるということです。
つまり、テストの成績表は「あなたは、CEFRではBandB2、TBCLでは5級です」という評価になるということです。
これまでの評価とは?
これまでTOCFLの成績評価はCEFR(ヨーロッパ言語参照枠)に基づいて行われてきました。名前の通り、これは台湾華語の能力評価に特化したものではありません。(注1)そこで、台湾で独自に制定した台湾華語の評価基準TBCL(Taiwan Benchmarks for the Chinese Language)を採用しますよ、ということで、2021年8月の試験から既に導入されています。
TBCLでは、3レベル7級で評価を行います。
TBCLでは、3レベル (基礎)(進階)(精熟) 7グレード(1~7級)で評価を行います。 CEFR基準とTBCL基準の対照は以下の通りです。
さらに、2023年からはTOCFL 2.0と改称し、このTBCLによる評価を全面的に採用するということです。
そう言われると、気になりますよね、これまでと何がちがうのか。
TOCFL 2.0 試験自体はかわりません。
安心してください。受験生にとっては大きな変化はなさそうです。
公式なリリースによると、
- 今後もCEFR換算の対照は提供する
- 試験時間、出題形式、難易度に変わりはない
ということなので、
これまでの受験成績が帳消しになることもありませんし、試験内容もかわりません。
来る TOCFL2.0 に向けて受験生が慌てて何か備える必要はありません。
TBCLでは級別の漢字、語彙、語法が明示されています
TBCLのもう一つの特徴として、各級別の漢字、語彙、語法の基準が明示されています。(注2)
何級なら単語はこれくらい、というのがはっきり示してある、ということです。
ここから見ることができます。
TOCFL 成績單新增 TBCL 對應欄位 答客問(https://tocfl.edu.tw/assets/files/announcement/TOCFLandTBCL.pdf)
でも、わざわざここで調べて、「あ、これは6級の単語だから覚えよう」とかいちいち考える人はいないでしょう。この基準はむしろ授業を立案する教員にメリットが大きいかもしれません。
注1 そもそも、CEFRは複言語社会を目指すEUにおいて、言語横断的に運用能力を示す枠組みとして構築されたもので、だからこそEU外の言語の検定試験にも広く用いられています。
注2 CEFRの評価基準はいわゆるCan-do型(その言語で何ができるか)であり、具体的に語彙や文字などの知識を明示的に評価するものではありません。