台湾華語の自学自習に役立つテキストをいくつかご紹介します。

旅行会話シミュレーションならこれ

旅の台湾華語 伝わる会話&フレーズブック 樂大維 アスク出版 1700円+税

Part 1は発音、Part 2はシーン別旅行会話で旅行者とお店の人との想定問答集のような感じです。Part 3は台湾の暮らしの雑学&フレーズとなっていますが、この雑学コラムが非常に面白いのです。「驚きの多民族社会の台湾(P. 164ページ)」では、台湾社会の歴史的な成り立ちから、東南アジアからの移民者との共存を進める現代の多元化社会台湾の姿まで紹介しています。台湾中国語ってなんですか、台湾語ですか、中国語ですか、みたいなところから最初のレッスンでは聞かれるんですが(私もはじめはそうでした)、これを読むと台湾社会の重層性がわかってくるのではないかと思います。

エッセイを読みながらフレーズと単語が頭に入る

新装版 街ぶら台湾華語   樂大維 アスク出版 1700円+税

街歩きをしているかのような臨場感のあるエッセイを読みながら、その場に応じたフレーズが覚えられる稀有なテキストです。上掲のフレーズブックのPart 3にも共通しますが、樂大維さんのお書きになったテキストはどれも台湾の暮らしや社会への解説が詳しく、単なる実用書にとどまらない魅力があります。惜しむらくは、ピンイン表記がないこと。発音はカナと注音符号です。

食べ歩きに特化した会話集

おいしい台湾華語 好吃!台灣 郁青・高向敦子 共著 IBCパブリッシング 2000円+税

全編食べ歩きに特化した会話練習本です。注文のしかたから台湾料理のレシピまで徹底しています。食材や料理名も豊富にのっています。文法の解説は簡潔なので、初級テキストを一冊仕上げたあとに手に取るのがいいかと思います。

台湾の漢字沼、浅瀬のほうからどうぞ

台湾華語&繁体字練習帳  樂大維 アスク出版 1300円+税

台湾の漢字、繁体字(正体字)の練習帳です。子供のころ小学校で使った文字のお稽古帳のようでちょっと懐かしい気分になります。一心不乱にマス目を漢字で埋めていくうちに、写経に似たマインドフルネス効果が得られるような気がします(笑)。台湾の地名や食べ物の名前などよく目にするものばかりなので飽きずに続けられます。注音符号の練習もできるようになっています。