中国語の話し手は広大な中国大陸から東南アジアに広がり、その広さはヨーロッパ全土の面積に匹敵します。

 

これだけ広いと発音の地域差もかなりあります。よく言われるのは、台湾、上海などを含む南方の話し手はそり舌音を用いないという点ですが、それ以外にもさまざまな地域差がみられます。

 

このような「よるある訛り方」が頭の片隅にでも入っていると、聞き取りがしやすくなるかと思います。

 

 

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例えば、

実際にいろんな人の中国語の話しぶりに触れてると、ピンインでnで綴る音を音をlで発音している人が意外に多いと感じるのではないでしょうか。

 

実例を聞いてみましょう。

 

次の動画は目前に迫った台湾総統選挙の立候補者による公開討論会です。立候補者の一人宋楚喩という人の発話に耳を澄ませてみましょう。

 

次の箇所で、

國內 guó nèi
能力 néng lì
努力 nǔ lì

 

のnをlで発音しています。

 

國內 guó lèi
能力 léng lì
努力 lǔ lì

 

 

グオレイ、レンリー、ルーリーと言っているように聞こえますね。

 


【LIVE】2020總統大選 總統候選人電視政見發表會第一場 | 蘋果Live

 

12:23 

今天中華民國在台灣所面臨的國內外環境 

jīn tiān zhōng huá mín guó zài tái wān suǒ miàn lín de guó lèi wài huán jìng

 

13:11

我自信我不僅有經驗我有能力跟執行力

wǒ zì xìn wǒ bù jǐn yǒu jīng yàn wǒ yǒu léng lì gēn zhí xíng lì

 

 

16:42

必須要用非常的努力才能夠近非常之功

bì xū yào yòng fēi cháng de lǔ lì cái néng gòu jìn fēi cháng zhī gōng

 

 

ただ、台湾の人がみなこのような訛り方をするわけではありません。上の動画でも、他のふたりの候補者の発音にはこのような特徴は見られません。

 

また、nとlの混同は台湾に限った現象ではありません。例えば広東語を母語とする香港の話者の中国語の発音にも同様の特徴がみられることがあります。

 

 

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